第3章 ジムノペディ
翌日、昼近くに起きた俺は潤を尋ねた。
そして別れを告げた。
別れといっても、もともとセフレ?みたいな関係だし、身体の関係が終わるだけ。
友達であることに変わりはないんだから、それ程痛手はないと思っていた。
少なくとも、俺は…。
潤は何でも無いかのように振舞ってはいたけど、その顔はどことなく寂しげで、今にも零れそうな涙を、必死に耐えているのがわかった。
よっぽど泣いて縋ってくれた方が、スッキリするのに…。
「ごめん、潤…」
なんだか俺、謝ってばっかだ…。
「謝んなよ、バカ…」
またバカって言われた…。
潤にモデルの仕事は続けること、そしてこれからも友達だと約束して、俺は潤の部屋を後にした。
そして、今頃大ちゃんを尋ねているだろう、和に短いメールを送った。
「ジムノペディ」完