第1章 アヴェ・マリア
グダグタ考えてるうちに、締め切りは過ぎてしまったわけで…
そんな時だった、懐かしい友人から電話がかかってきたのは。
『リーダー、久しぶりー』
電話の相手は松本潤。
で、リーダーってのは、俺のあだ名?みたいなもんかな。
「うん、ホント久しぶりだね」
何年ぶりだろう、コイツの声聞いたの。
高校卒業直後とかは、皆連絡取り合って、飯行ったり、電話したりしてたんだよな…
でも、それも段々なくなって、今じゃ年賀状のやり取りすら怪しくなってきてる。
『リーダーさ、出してないでしょ? 出欠葉書』
そうだった…、松潤幹事だったわ…
「あ、ごめん」
咄嗟に、葉書の幹事のトコに松潤の名前が書いてあるのを思い出した。
「わりぃ、俺行けそうにないわ…」
『何で?』
理由を聞かれても、金がないから行けない、なんて恥ずかしくって言える訳がない。