第13章 ひとりじゃないさ
根元を指でキュッと締められ、先端を舐め上げられると、押し寄せる快感の波に俺の身体が仰け反る。
「あぁ…っ、だめ、そんな…したら…」
ゾクゾクと這い上がる甘い痺れに、身体に震えが走った。
「イッていいから…」
「だめ、ね…おねが…やぁ…んん…っ…」
俺の手が翔君の髪を掴む。
「あっ、あん、だめ、イッっち…ゃ…う…、あ、あん、あ、あ、あぁぁ…」
翔君の舌先が尖端に触れた瞬間、俺は翔君の口の中で熱を放った。
「ん…はぁ、はぁ…」
整わない呼吸を繰り返しながら、翔君の頬に手を伸ばす。
「…出して?」
「何を?」
「だから…出してよ…」
「もうないよ?」
「やだ、どうして…?」
「智のだからだよ。智を全部俺のモノにしたいから」
頬に宛てた手に翔君の手が重なる。
「だから、全部俺にちょうだい? 智の全部…」
「あげる…全部…。だから、俺にも頂戴? 翔の全部…」
頬に触れた指先を熱いものが濡らす。
泣いてるの…?
「ふふ、泣き虫…」
「智に言われたくないけど?」
揶揄う俺に、プッ頬を膨らす翔君の指が俺の後ろに触れた。
途端にビクッと硬直する身体に緊張が走った。