第13章 ひとりじゃないさ
咥内を犯す指に舌を絡める。
「ん、ん、ふぁ…」
溢れ出す吐息を我慢することなんて、もう出来ない。
もっと触れて欲しい…
俺の中で高まる欲求。
それに気付いたのか、翔君の指が俺の口から抜け出すと、見下ろす瞳と視線がぶつかる。
クスッ、と翔君が微笑む。
「言って? どうして欲しいのか」
…いじわる…
「触って…直に…触って…?」
口から抜け出た唾液を纏った指が、顎を伝い、胸を伝う。
「はぁ…焦らさ…ないで…」
漸く臍を通過した指が下着にかかる。
そして徐々に外気に晒されていく中心。
膝まで下着を降ろされた下着は、じんわりと湿り気を帯びていて…
「あんまり見ないで…?」
恥ずかしさのあまり俺は訴える。
けど、小さな声は翔君の耳には届く筈もなくて…
翔君の手が俺の中心を握り込んだ。
「はっ…あぁ…」
尖端から溢れる先走りを塗り込めるように翔君の手が動きだす。
「あ、やっ…ん、はぁ…っ…」
「気持ちいい?」
「やっ、聞かな…いでぇ…」
じわじわと這い上がってくる快感の波をやり過ごそうと、俺は頭を振る。
その時、俺の中心を温かいものが包んだ。
そっと視線を向けると、俺の中心を口に含んで見上げる翔君。
「だめ、そんな…ぁ、や…だぁ…」