第12章 誤解
収録が終わり。
それぞれ帰り支度をしていると、翔がきた。
櫻「ニノ~、帰るよ~♪」
そう言いながら俺の手を取った。
有無を言わせぬ強引さだったが、
逆に今はそれが心地よく、何も言わず従う。
櫻「お先~♪」
相「早いね~」
大「お疲れ~」
松「ニノ~、明日ね~」
(明日は松潤と雑誌の取材だ)
「うん...明日ね!!」
手を繋いで楽屋を出る俺たちに、
メンバーがすごく自然なのが、
ホントに有り難かった。
テレビ局の廊下で手を繋いで歩くって、
どーなの!?俺は、手を解きながら、
「翔...手離して..」
すると、翔はニッコリ笑いながら振り返った。
櫻「...機嫌、直った??」
俺を覗き込む大きな目にドキドキして、
「べっ...別に、機嫌なんて悪くないよ//」
と目を反らせながら、呟く。
櫻「じゃ、これなら、いいかな~?」
そう言いながら、肩を組んできた。
翔より小柄な俺の身体は、
翔の横にすっぽり収まる。
翔の息遣いを近くで感じて、
ちょっとキュンってなる...
今更、こんな事で...って思うけど、
なんだかカサカサしていた俺の心を、
翔の温もりが優しく溶かしていくのを
感じていた。