第33章 あ~、夏休み♪
【 翔side 】
超楽しみだった沖縄...
飛行機から下りたら抜けるような青空...
のはずが...見事なまでの曇天で。
はい、また出ました~
『引きの悪い男、櫻井翔』
そんなテロップが頭をかすめる。
......まあ、いいさ。
それも、ある程度は想定内と言える。
だってさ、俺だよ?
スタッフだって、ある程度は予想してた訳。
「翔さ~ん...なんか、天気が今ひとつなんですけど」
笑いながら言うカズは、テレビモード。
「二宮さん!そんなこともあろうかと思って、
いろいろパターンは考えてありますよ~」
もちろん俺だって、テレビ仕様の笑顔でカズに返した。
やっぱりビーチでの撮影はピーカンがいいでしょ?
ってことで、
俺たちは今にも降りだしそうな空模様の中、
琉球ガラスの体験工房にやってきた。
ふたりで、思い出にグラスを作る、と言う企画。
入っていくと、ショップに並ぶ色とりどりの琉球ガラス工芸品に、カズが目を奪われる。
「翔..さん...ちょっと見て~これ綺麗だね~」
カズ...今、素になったよね?
大丈夫かな~...
俺のそんな顔を見たカズは、分からないように少しだけ、唇を尖らせて見せた。
...かっ、可愛い//////
もう、そんな顔、テレビで見せちゃだめだよ!
「どれどれ...ホントだ~♪俺、こういう形のグラス、作ろうっと♪」
カズの側で、大袈裟にそう言うと、
カズは笑いを我慢しながら、
「出来るんですか~?」
と言った。
不器用な俺には無理だって、そう言いたいのが見え見えで。
俺はそんなカズに乗ってやる。
「じゃあ、どっちがカッコイイの作れるか、競争しようぜ!!」