第33章 あ~、夏休み♪
【 二宮side 】
俺さ、沖縄、楽しもうって、そう決めたんだ。
翔がリオに行ってる間、
ひとりの部屋で...
今までも一人でいることはあったけど、
何日も海外っていうのは、そんなになくて、
いつも当たり前に帰ってくる人、
当たり前にそこにいる人、
その人がいないって言うだけで、
胸にぽっかりと空洞ができたみたいで。
一緒に部屋にいても、
翔はPCで、俺はゲーム..なんてことも、
多々あるんだけどね~(^^;
何にも話さないで、背中向けて。
そんな空気も、俺たちにとってはもう自然で、
長年連れ添った夫婦、ってよく言うけど、
それって、こんな感じなのかな~?
とも思ってる。
で。
その翔がリオに行ってる間の寂しい時間が、
俺の気持ちを変えていった。
最初は、いつも勝手に決める傾向にある、
こと仕事に関しては、櫻井翔に物申したい!
という気持ちで、若干の不平不満を言ってみたんだけど、おそらく俺のそんな拗ね気味の態度も、彼にはきっと想定内だったのかも...
悔しいけど、それが俺たち。
俺よりも一枚も二枚も上手な旦那さんの手のひらで、転がされてる奥さん......
それが、俺(-"-)
そんなこんなで。
俺は今、彼の肩に凭れて、飛行機の中。
寝たふりしてるけど、ホントは寝てないよ~
頭の先から聞こえてくる、翔の軽いイビキが、
もう可愛くって、愛しくって...
ずっと聞いていたいな❤
って、デレデレな訳(^^♪
でも、寝たふりしてないと、CAさんが声掛けてくるから、俺も一緒に寝ちゃったってことにしてる。
そんな俺と彼を乗せた飛行機は、曇天の那覇空港に着いた。