第32章 ティンクとピーター夜の事情
5分じゃとても着替えられなくて...
だって、下着とか...
何、この羽って...?
俺は、何とか一応、翔さんご所望の、
『ティンカーベル』に変身し、
リビングへ戻った。
そこには、ピーターパンが待っていた。
櫻「...カズ...かっ、可愛い...」
口を開けて、立ち尽くす彼の前で、
俺は猛烈に恥ずかしくなって、俯いた。
櫻「こっち来て、よく見せて」
イケメンピーターパンが、
渋々近づいてく俺の両肩をがっちり掴んだ。
櫻「やっぱりね♪思った通り...
絶対似合うって思ったんだ!」
「似合わないよ...スカート短いし...
俺、33だよぉ~?羽ってさ...」
俺のボヤキは無視して、
彼は俺を一回転させて、全身を舐めるように、
見る...キラキラした大きな目で...
「見ないで!!」
櫻「そーだ!写メ撮ろう、写メ!!
...携帯携帯..っと」
嬉しそうな翔さんは、
俺の写真を何枚も撮って、
自撮りでツーショットも撮った。
仕方ないから、ちゅうのも、
撮ってやった(-"-)
...俺は、さっきから気になっていたことを彼に聞いてみた。
「いいけどさ、ピーターパンの相手役って、
ティンカーベルなの~?」
櫻「違うの??
...まっ、その辺はいいでしょ?」
そう言いながら、俺の顎を持ちあげ、
キスする気満々で来たから、
何だか、ちょっと癪でさ、
俺は顔を反らせて言ってやった。
「そもそも。ネバーランドの主役が、
こんなことしていいのかよ...」
ってね。