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いつも貴方がいた【気象系BL】

第8章 不安


〔二宮side〕

その波は、何の前ぶれもなく
静かに来たんだ。


次のクールでドラマの主役をやる翔ちゃん。
それはもうかなり前に決まっていた。

熱血新聞記者の奮闘記、
そしてloveあり...

決まっていた女優が
間際になって病に倒れ、
代わりに相手役に抜擢されたのが、彼女だった。


そう、
翔ちゃんの元カノ。

まだ嵐がこんなに忙しくなる前、
バラエティーで共演したのをきっかけに、
2人は付き合い始めた。

彼女のことは、この業界で
初めてちゃんと付き合った人だって、
翔ちゃんは言ってた。

『大切にしたいんだ』って。


俺は、翔ちゃんのことは好きでも、
近くにいれるだけでいいって、
そう思ってた頃で、
実際、俺にもドラマで共演して
付き合い始めた彼女がいた。


この頃は、お互いの恋愛を
応援しあっていた。

俺たちは、まだ若かったんだ。

マスコミにいかに気づかれずに
デートするか...

時間差で店に入ったり、
変装してホテルで会ったり...

今思うと、ゲーム感覚だったのかもしれない。

俺は、束縛したがる彼女に
どんどん熱が冷め、
一年もしないで別れてしまった。


順調だった翔ちゃんたちに影が見え始めたのは、
俺たちの人気に火がついた頃だった。


翔ちゃんは忙しくなり、休みを取るのも
難しくなり、当然、
彼女との時間も減っていった。

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