第31章 その後…
二「翔は、何にも分かってないよ!
大体さぁ、好きな人と、こんなにいつも側にいて、
『はい、今日から好きじゃありません』なんて、
そんな器用なこと、出来ると思う??」
「...カズ...」
その剣幕に圧倒される俺に、ニノは尚も続ける。
二「ましてや、あの人がそんな割りきって出来ると思うの?...俺は、...
まだ、好きだって、思ってる..。」
少し思い詰めた顔のニノを、強く抱き締めると、
「たとえ、そうでも...、
あの人は、俺たちを祝うつもりで、1個1個、
書いてくれた...。
俺は、...俺たちは、それを無駄にすることは出来ないんだよ。
あの人に、出来ること..それは、俺たちが幸せであること...。それしかないって、俺は、思うよ。」
二「...翔..」
ニノの瞳は、キラキラと俺を映していた。
「だから、智くんのことは、誰かと幸せ見つけてくれって、祈ってるよ。」
二「...翔...」
すると、ニノは閃いたとばかりに顔をパッと輝かせ、
二「翔がさ、カッコ悪くなれば、いいんだよ!
もっと太って、髪は、クルクルにする、とか。」
....なんだよ、そんなこと...
ニノの『グッドアイディア』に笑いがこみ上げた俺は、
「じゃあ、聞くけど?
カズは、俺がそうなったら、嫌いになるんだね?」
二「えっ!?」
焦るニノに、俺は追い討ちをかける。