第31章 その後…
〔櫻井side〕
俯せのニノの肩が、静かに上下する。
俺は、それを見ながら、ゆっくりとニノの髪を鋤いた。
ゆっくりと俺の方を向いたニノは、
少しだけ疲れたように笑った。
「ごめん...無理させちゃったね..」
二「...そんなことないよ..ちょっと眠いだけ...」
「シャワーしてからにしようよ。」
そういう俺にも、
二「うん..そうだね...」
と言ったきり、動き出す気配もない。
「ほら。」
俺は、ニノを抱き上げて、バスルームに連れていった。
真っ赤になりながらも、俺に処理を委ね、
脱力しているその顔に、触れるだけのキスをして、
「..終わったよ...入ろう。」
と一緒に湯船に浸かった。
俺の胸にすっぽり収まり、身体を預けてくるニノが、
二「...俺さ..こんな幸せでいいのかな...
って、すごい思った..。」
「そうだね。彼らには、頭が上がんないや..」
俺がそう言って笑うと、ニノは、すかさず言った。
二「大野さんが、風船に書いてくれたでしょ。
あれさ、もしかして、辛かったんじゃないかって..
そう思うと、嬉しいのと、申し訳ないのと、
もう、何て言うかさ....」
「カズは、智くんが、まだ俺を、...その...
忘れてないんじゃないか、って言うの?」
俺のその言葉に、ニノは、くるっと向き直って、
二「当たり前でしょ!」
と言い切った。