第31章 その後…
二「幸せだったけど...、だからこそ...、
幸せすぎて..怖かった。」
「...うん..」
二「先が、全く見えないし...
こんな幸せ、長くは続かない、
って、どっかで、思ってたんだよね...」
「...カズ。」
月を見上げるニノが、儚げで、
俺は、その腕を掴んで引き寄せ、
胸のなかに抱き留めた。
「もう、離さないから。
ずっと...、ずうーっと、カズといる。
たがら、俺のそばに、いて...。」
ニノの華奢な身体を、これ以上ないくらいの力で抱き締めると、ニノも、俺の背中に回した腕に力を込め、
二「ずっと、いる。翔が、離れろ!って言っても、ぜーったいに、離れないから。」
そう言って笑ったニノの瞳は、相変わらず潤んでいて、月が、微かに映り込む。
.........。
愛しい.....
今、目の前にいるニノが、
堪らなく愛しくて、
掛ける言葉を探したけど、
うまい言葉が見つからないまま、
俺は、ゆっくりと彼の唇に近づいた。
すると、半月が映るそれは、
ゆっくりと閉じられた。