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いつも貴方がいた【気象系BL】

第31章 その後…


〔櫻井side〕

その夜。

広すぎるスイートルームに、
ニノと、ふたりでいた。


風呂から出たばかりのニノは、
髪をタオルで拭きながら、
俺のいる、バルコニーに出てきた。

「おいで。」
右腕を上げながらそう言うと、
ニノは、当たり前に俺の腕の中に、
すっぽり収まった。

フワフワのバスローブを抱き寄せると、
俺と同じ、ボディソープの香りがした。

二「なんかさ...結婚したんだって、
実感した...」

ライトアップされた、東京タワーを見ながら、
ニノがぼそっと言った。

「俺も。式をやろうなんて、考えてもいなかったから、感動して...ヤバかった。」

二「もう、俺なんか、ずっと泣いてたし...」

そう口をすぼめるニノが可愛くて、
生乾きの髪を、ゆっくりとすいた。

すると、ニノは、俺の方を見て、
目を細めて笑ってから、

二「翔。見て。あれ....」
と空を指指した。

そこには....、

半月が、俺たちを見ていた。

二「覚えてる?ふたりで行った、
ニューカレドニアの....。」

「覚えてるよ。あのときも、
これと同じ月だった。」

ニノは、また、月を仰ぎながら、

二「あの時は、不安だったな...」
そう言った。

そう言いながら、俺の方を見た顔は、
少し、泣きそうだった。


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