第30章 エピローグ
その夜、翔さんが帰って来た。
ここで彼を迎えるのは初めてな訳で。
『もうすぐ、着くよ。』
っていうラインが入ってから、俺はスープを温め始めた。......いよいよ、新婚っぽくなってきた。
.......今更だけど、...テレる(*ノ▽ノ)
程なくして、翔さんは真っ赤な薔薇の花束をもって帰宅した。
櫻「ようこそ♪俺たちの城へ..。」
俺は照れ臭いのと、少しの緊張で、
その『紅』を受け取った。
「...ありがと...」
そう言った俺の顔は、薔薇に負けないくらいに、
真っ赤なんだろうな..。
「えっと...花瓶って、どこだったかな...」
その場を離れようとした俺の手を、すかさずつかんだ彼が、優しく言う。
櫻「カズ、もっと、ちゃんと顔見せて。」
俺の手から花束を取って、下駄箱の上に置き、
俺を胸の中に抱きとめた翔さん。
櫻「やっと、この日が来たね...♪
当たり前に、カズがいる。
...すげーうれしい!!」
間近で見た彼の笑顔に、俺は心臓がキュッとなった。