第30章 エピローグ
「おー...どーしたの?」
俺は、少しの戸惑いを持って彼女を迎えた。
舞「兄が、手伝ってやれって言うので。」
そう可愛い笑顔で言ったのは、彼の妹君。
「舞ちゃんも忙しいでしょうに、
ごめんね~。」
舞「いえいえ。手伝いというのは口実で、
ふたりの新居、覗いて見たくて♪」
そう言って、舌を出した彼女は、
印象的な目元が、やっぱり翔さんによく似ている。
「見たいって、普通よ。何も、面白いことはないと思うけどね。」
舞「それより、お昼、まだでしょ?
母からの、差し入れです。食べましょ♪」
テーブルの上には、高級料亭の弁当が、
並び、俺を、更に驚かせた。
舞「母が『本とは、私が作って持ってくところだけど、料理はあまり自信がなくて』って。
よかったですね。こっちで。
さあ、食べましょうよ!」
舞ちゃんの訪問も、
彼のお母さんの気遣いも、
予想もしていなかったから、
驚き....、嬉しかった。