第29章 永遠
「カズ。
『一緒に生きてく』って、
きっと簡単じゃない。
想像もしなかったことが、起こるかもしれない。
....いや、起こるだろうね..。
その時、ふたりがしっかり、同じ気持ちで、同じ方向を見ていられるか、それが重要になってくる。
今まで生きたよりも長い時間を、
カズとふたりで、紡いでいく。」
二「....翔とふたりで、
ずっと、いる...。何年、何十年先までも、
ずっと、一緒に、いる...」
顔をあげたニノは、
もう涙でぐしゃぐしゃだった。
「泣くなよ。」
そう言いながら、両手の親指で、ニノの涙を拭ってやると、さらに、大粒の涙がこぼれ落ちた。
「よく聞いて。」
二「.......」
ニノは、涙を隠すこともなく、
俺の目を、じっと見つめ返してきた。
「普通の結婚を望んでいたであろう、俺たちの親や、親戚。...もしかしたら、友人やメンバーや、
ファンの娘たち。
俺たちが、選んだ道で、
傷つく人が、いるかもしれない。
裏切られたと、嘆くかもしれない...。
だから.....。
だからこそ、俺たちは幸せに....、
誰よりも、『幸せ』にならないと、いけないんだ。」
俺の言葉を、
ニノは黙って、聞いていた。