第29章 永遠
〔二宮side〕
3軒の物件を見て、俺たちは代々木上原にあるマンションに決めた。
緑が周りを囲んだ2階建ての、
どちらかと言えば目立たないそのマンション。
俺が気に入った理由は、
程よい大きさのリビング。
窓から見える木々の緑。
ふたりで並んでゆっくり料理ができるキッチン。
そして何より、部屋は割りと普通なのに、
バスタブが大きくて円形で、
ジャグジーになってること。
ふたりで入ること想像して、ちょっとテレる...。
新婚には、ちょっと贅沢すぎだけど。
(新婚とか...って、俺、なに言ってんの!!)
自分でつっこんでた。
今日は、CMの撮影で、都内の撮影所に5人でいた。
松「新居、決めたの?」
「えっ..?」早速聞かれて、俺は驚いたけど、翔さんは、
櫻「例の物件は、ニノがやっぱり却下だよ。」
松「予想してた通りだね。」
ふたりが俺の知らないところで、マンションの話して、俺のリアクションまで予測してたことが、正直、面白くない。
「ねぇ、何?どういうこと?」
と不機嫌を隠して、松潤に聞いた。
でも、バレバレだったみたいだけど。
松「恵比寿のタワーマンション、すごかったんだって?リビングで運動会できる、って翔さんが笑ってたからさ...。」
ますます面白くない俺に、機嫌を取ろうとしたのか、翔さんは、俺の隣にぴったりくっついて座り、
櫻「たぶん、ニノはいやだって言うだろうから、松潤にどうか、って勧めてたんだよ。」
俺の肩に手を回しながら、言った。