第29章 永遠
〔櫻井side〕
ニノの華奢な腰を抱き寄せ、
身体を密着させても、予想していたのか、
ニノは驚くこともなく、
されるがまま、俺に身体を預けてきた。
「...他の部屋も見てみますか?姫♪」
二「この景色に、少し心動いたのは
事実だけど、こういうのは、たまに、
ご褒美で見れれば、よくね?」
「.....」
二「何で、笑うの?」
「いやね、あんまにも、カズの答えが
予想通りで、可笑しくなっただけ♪」
二「なに...それ...」
身体を半分こちらに向けて、
ニノは最高に可愛い顔をして笑ってから、
ゆっくり、スローモーションのように
キスをした。
そっと唇を擦り合わせるだけのキスを、
俺は、そのまま受け入れた。
二「ここは、素敵だけど、広くて
無駄だよ。...もっとさぁ、後ろを通ると、
膝が当たっちゃうみたいな...、
そんなリビングにソファー置いてさ...」
夢を語り、だんだん饒舌になるニノの唇を、
今度は、俺の方から塞いだ。
今度は、ニノの身体を、
しっかり自分の方に向け、
緩く閉じた唇をこじ開け、
舌を差し込んだ。
二「...んっ..はぁ..」
俺の舌を迎え入れ、ニノもそれに絡めて、
吸い付いてきた。
東京タワーが、ライトアップされても、
俺たちはそのまま、
キスだけを何度も繰り返した。