第29章 永遠
その顔を見た瞬間、ジャニーさんが
許してくれていることを確信した。
ジ「youたちのことは、ずっと前から
聞いていたよ。よく、ここまで育てたね。
.....おめでとう、って言うべきだね。」
そう言って右手を出したジャニーさんと、
翔さんががっちり握手するのを見て、
俺は不覚にも、涙が溢れそうになった。
翔さんの後、ジャニーさんの手を握って、
その温かさと力強さに、
俺の涙はこぼれ落ちた。
ジ「幸せに、してもらうんだよ、ニノ。
翔くんなら、大丈夫だね。」
名前を呼ばれ、そんな言葉を
掛けられるとは、正直思ってなかったから、
俺は、返事もできず、俯いた。
当面は、公表せず、一緒に
暮らしていることがばれても、
あくまでも『合理的同居』
ということにする。
これは、事前に事務所側と翔さんが
取り決めたこと。
自分たちのためというよりも、
むしろ、応援してくれるファンを
思ってのこと。
俺たちは、この日、
俺たちの未来に向けての、
大切な一歩を踏み出した。
ずっと彼が好きで、
仲間でいることに徹していた頃。
ドキドキしながら、思いを打ち明けた、
あの日。
少しずつ、大切に育ててきた。
ずっと、隣にいていいんだって、
改めてそう思ったら、
涙が後から後から溢れて仕方なかった。