第27章 夢国
二ノの口から、そんなことを聞くのは、
正直、切なかった。
性別なんて全く問題じゃないんだ...
俺は俺で、二ノは二ノで...
それだけが真実で、
後は、何も必要じゃない。
そう思ってるくせに、例え冗談でも、
二ノのこんな言葉には、
激しく動揺してしまう...
俺の気持ちが分かった二ノは、
激しいキスの後に
二「....変な事言っちゃって、ゴメンね..」
と笑った。
...笑ったはずのその顔が、
あまり上手く笑えてなくて、
無理に作った笑顔の中の瞳からは、
今にも涙がこぼれそうだった...
............
『すげーいっぺー子ども産まそう♪』
俺も、冗談で返せばよかった...と..
二ノに、こんな目をさせてしまったこと、
俺は、どうしようもないやるせなさに、
かける言葉を見つけられないまま、
もう一度、抱き寄せて、唇を重ねた...