第6章 嫉妬
映画の内容は『さすが』というもので、
途中も場内からすすり泣きが漏れ、
最後も見終わった観客を
温かい気持ちにさせたハッピーエンドで、
いい映画だった。
噂のラブシーンも自然の流れで
綺麗なワンシーンに収まっていた。
でも俺は、それどころじゃなかった。
スクリーンで観た、ニノの顔や肌、
囁く声…、彼女の肌を撫でる手...
松「いや~...よかったね~
さすがはニノだね♪
ひと皮剥けちゃったんじゃないですか~?
...って..翔くん、大丈夫?」
「えっ??何...?」
松「メンバーの映画に感動してた?」
「あっ~...そうだね..よかったよ..
や~...ホント、うん...」
松「この後、大丈夫でしょ~?
ご飯、行こうよ」
俺は、胸の鼓動が収まらないまま
松潤の行きつけの店に連れて行かれた。
ホントは、ちょっとひとりになりたかった。
そんな俺の気持ちなんて知るはずもない
松潤は、ご機嫌で、当然2人の酒も進んだ。
いい感じで酔い始めた頃、
彼が来た。