第26章 合宿
妙な盛り上がりを見せたそり遊び。
面白い画が撮れた...
とディレクターもニコニコ顔。
俺たちは、ぬれた服をそれぞれ着替えて、
夕飯の準備に取りかかる。
仕切るのは、松潤と、何気に相葉さん。
翔さんも慣れない手つきで野菜を切り、
着々と鍋らしくなってきた……。
いつも、何台ものカメラが
あちらこちらから撮っているので、
俺たちは、仕事向きの顔....
その中でも、夕飯時は、
小型カメラをいくつか設置し、
スタッフは遠くから見ている。
だんだんと素になってくる俺たちは、
楽屋や5人でご飯に行ったときなんかと、
同じ雰囲気になる。
後で、松潤に指摘されたんだけど、
鍋を食べながら話をし、
何も言わずに、目線さえ向けずに
取り皿を俺に差し出した翔さんと、
それを当然の顔で受け取り、
よそって返す俺....
その自然なやり取りが、
長年連れ添う夫婦のようだった...と。
正直、全く自覚がない。
そんなことをしたのかも、覚えていない。
(そっかぁ....油断した。
....つーか、無意識って、怖い...)
大丈夫なつもりでいたけど、
長い時間の密着には、
ついつい出ちゃうんだな~。
気をつけないと....
俺たちは、仕事のことについて
いろいろ語り合った夕食から、
寝室組み分けのババ抜きに突入した。