第25章 雪解
ソファーにうつ伏せたまま、
そろそろ風呂に入って寝なきゃ....
と思っていた。
その時......
玄関のチャイムが鳴った。
『こんな時間に...??』
.............
俺は恐る恐るモニターを確認する。
そこには。
居るはずのない人が.....
『櫻井翔』その人が、立っていた。
俺は、慌てて玄関のドアを開けた。
すると、
翔さんより先に、
大きな真紅の薔薇の花束が、
俺の目の前に現れた。
「えっ!?」
櫻「クランクアップ、おめでとう!!」
そう言って、大きなその塊を、
俺に押し付けてきた翔さんは、
櫻「...で..?入ってもいい?」
と笑った。
あの笑顔.....
俺が、大好きなあの笑顔で。
「もっ....もちろんだよ...」
俺は、この状況に混乱しながらも、
翔さんの後ろで、ドアを閉め、鍵をかけた。
すると、
そのまま翔さんは俺を引き寄せ、
腕の中に抱き止めた。
......翔さんの、匂いがした....
櫻「ああ....やっと、来れた~/////」
「翔...??」
櫻「毎晩、今日行こうかな...
明日にしようかな....って。
シュミレーションしてさぁ....」
翔さんは、息を弾ませながらそう言うと、
ゆっくり離れて、俺の顔を覗き込んだ。
「.......」
その瞳は、
優しく笑っていた。