第24章 十戒
〔二宮side〕
撮影は、順調に進み、途中入れる
5人で歌うシーンの撮影になった。
監督さんが、俺らの立ち位置を決めていく。
監督「じゃあ、この椅子に二宮くん、
座って.....隣に、中を向くように大野くん。
後、櫻井くんは、ここに立って、
二宮くんの肩に、手をかけてくれる~?」
どんどん決まっていく中で、
翔さんが、触れた肩が.....熱い。
優しくおかれた右手の重みに、
俺は、泣きそうになる.....
『仕事だろ....しっかりしろよ!!!』
自分自身に言い聞かせて、
俺は、
笑った。
本番が始まり、俺たちは、その場で、歌い、
それをカメラが四方から追い掛ける....
曲のサビの部分になると、
翔さんの手に、力がこもる....
.....
..........
俺は、
この手を、離してしまうつもりなのか!?
この手を離して、
俺は、
生きていけるのか.....?
..........
サビの盛り上がりのところで、
不意に、翔さんの手が、
俺の肩から、いなくなる...
その手を、追うことも、
ましてや、見ることもなく、
俺は、歌い続ける。
............
翔さんの手を離すっていうのは、
こういうことなんだ.....