第24章 十戒
〔櫻井side〕
二ノは、あの日から連絡一つ寄越さない。
当たり前だけど....
俺が二ノとよそよそしければ、
メンバーも気を使うだろう。
分かっているけど、
俺から軽々しく声を掛けることは、
今は出来ない。
申し訳ないけど、
今は、どうすることも出来ないんだ。
二ノがひとりの撮影に行くと直ぐ、
大野さんが俺のところにきた。
大「翔ちゃん....ちょっといい?」
「...うん..」
大野さんは、俺を
隣の空いていた楽屋に連れて行った。
大「...もしかしてさ...俺が、原因?」
そう詰め寄る大野さんに、
「そうじゃないよ....
智くんとのことは話したけど....」
大「何でだよ!!言うなって...」
「そうだけど....でも、もうこれは、
俺と二ノの問題だから....
智くんが、気にする必要はない...」
大「どうして言ったんだよ....
俺との事なんて、
事故みたいなもんなのに....」
「智くん。そんなこと言わないでよ。
俺は、後悔してないよ....
あの夜は、俺と智くんには、必要な夜だった。
.....そうだろう?」
大「...翔ちゃん..」
「大丈夫だから....
智くんは、気にしなくていいんだ。」
大野さんは、眉を下げて、
困った顔をしていたけど、俺は、
その肩に、手を置いて、
「...ごめんね。心配かけて...」
と笑った。