第24章 十戒
大野さんは、普段通りにしているけど、
ときどき俺のこと、
何か言いたげにみていることがある。
でも、それをさせない雰囲気を、
俺が作っている。
大野さんに、
何か言われたくないし、
聞いたところで......
って言うのもある。
......もうこれは、
俺たちの.....というよりは、
俺の問題なんだ。
ずっと、考えていた。
もう、ずっと.....
....答えは、出てる。
大野さんとのことを、許すとか、
許さないとか、
そういうことじゃないんだ。
俺が、
彼と.....
翔さんと居たいか、
もう、居たくないのか....
それだけだ。
考えるまでも...
悩むまでもない....
俺には、彼しかいない。
彼がいない人生なんて、
もう、俺には有り得ない.....
............
答えは、出ている。
だったら、
彼に、そう伝えればいい.....
分かっているけど、
ここへ来て、俺の素直じゃない性格が、
邪魔をする。
『翔さんの胸に、飛び込めよ』
俺の中にいる俺が、
そう言う。
.........
分かってるよ。
きっかけが、欲しい.....
待っててくれてる翔さんの胸に、
飛び込んでいく、勇気が.....