第24章 十戒
〔二宮side〕
大野さんのこと。
翔さんが隠し通してくれるつもりなら、
俺は、気づかない振りを通そうと決めた。
....
...そりゃあ、イヤだよ。
イヤに決まってる。
翔さんとつき合うようになって、
自分の嫉妬深さに改めて気づいて、
驚いてるよ。
今まで、こんなに誰かに執着したことなんか、なかった。
こんなにも、誰にも渡したくない、
束縛したい...
こんな気持ちになったのは翔さんが初めて。
そして、翔さんが、最後....
もう、彼以外の人を、
こんなに好きになることは、
この先も、ないだろう。
.........だから、
彼が、隠し通してくれるなら、
俺は、騙されたままでいい。
焼そばが出来上がるころ、
翔さんが風呂から出てきた。
櫻「カズも先、入っちゃえよ」
そう言う翔さんに、
「じゃあ、そうしよっかな~
待っててね♪急いで出てくるから...」
と俺は答えた。
櫻「いいよ。待ってるから、
ゆっくり入っといでよ♪」
と翔さんは目を細めた。
翔さんが入ったばかりのバスルームは、
翔さんのシャンプーの香りがして、
何だか、ドキドキした。
『今更....』
何だか、笑ってしまった。
..............
これでいいんだ。
これで........