第24章 十戒
〔櫻井side〕
二ノの様子が、いつもと違う.....
それは、昨日から感じていた。
大野さんとのことに、気づいてる...!?
.........
そんなはずはない....
...そんなはずは...?
「じゃ~...お疲れ!」
先に楽屋を出ようとすると、
松「早いね~」
相「翔ちゃん、またね~」
大「お疲れ様~」
それぞれが声を掛けてくれた。
二ノは、「お先~」と急いで俺について来て、隣に並ぶと、「行こ♡」と、笑った。
その笑顔に、俺の疑問も、薄らぐ。
(気の...せいかな...)
『気のせい』この時の俺は、
そう思いたかったんだ。
俺たちは、マネージャーの車で帰宅した。
二ノが「焼そば、あったよね~作るよ♡
翔はお風呂入っていいよ♪」
そう言って、♪♪鼻歌を歌いながら、
焼そばを作り始める。
...........
『いつもと違う』
どこかでそれに気づいている俺は、
二ノの屈託のなさに、
逆に不安を感じ始じめていた。
...怒ったり、沈んだりしているよりは、
全然いい....でも.....
俺は、
二ノの心の中が見えなくて、
戸惑っていた。