第24章 十戒
その夜....
ベッドで愛し合った俺たちは、
シャワーをしてから、缶ビールを開けた。
腰にバスタオルを巻いただけの彼...
その整った背中に...胸に...
改めて見惚れていた。
.......その時....
俺は、
見てはいけないものを
見てしまった。
薄暗いベッドルームでは気づかなかった、
彼の鍛えられた逞しい上腕に残る傷....
..............
それは、誰が見ても、明らかな爪の痕...
2本の指が食い込んで付けられたことを、
容易に想像できるその『あと』は、
間違いなく、
『あの行為』でついたもの....
...........
傷の位置から、残っているのが、
翔さん自体分かっていないのか、
それとも、俺に気づかれないと
思っているのか.....
治りかけのその傷は、
もはや、
誰が、
いつ、
そこに残したものか、歴然だった.....
...............
アメリカで、大野さんと、何かあった。
..................
俺は、そう確信せざるを得なかった。