第5章 隙間
初めはそっと重ねただけの
まるで中学生のようなキスだった。
少し離れてニノの顔を見ると
ニノは俺の目を見ながら静かに言った。
ニノ「好きだって言ったのは、
俺だから...
でも、翔さんから言われたことはなくて..
飛び込めば抱きしめてくれる...
見つめれば、笑ってくれる..
でも、やっぱりさぁ...
不安だったんだよね~
だから、次の一歩は
翔さんから....って
待ってたんだよ~♪」
ニノのその言葉と
憂いを宿した瞳がたまらなくて、
今度は強く引き寄せて
激しく唇を求めた。
息をしようと少し開いた隙間から
俺は、強引に舌を差し込んだ。
ニノはそれにしっかり応えてくれた。
舌を絡め合い、強く吸うと
ニノは甘い吐息を小さくはいた。
抱きしめたまま、俺はニノに言った。
「好きだよ...ニノ...
お前が..好きだ...」
ニノ「俺も..好き...
翔さん../大好き♡」
俺たちは、さっきまで見とれていた
オレンジ色の夜景を背に
何度も気持ちを確かめるように
唇を重ね合った。