第23章 激情
なんと言っても、
話題は今日のロケのこと。
大野さん曰く。釣りのロケで、
あんなに釣れたのは初めてのことで、
俺のことを、幸運の女神だって...
(自由の女神に掛けたのかな..?笑)
大「でも、翔ちゃんが楽しそうで、よかった...
釣りって、どう見ても俺よりの
企画じゃない??」
申し訳なさそうに笑う大野さん...
「いや~全然!!!ホントに楽しかった...
それにさ、『大野智は、これ!!』
みたいなのがあって、逆に羨ましいよ~...
...ほら、俺、そんなのないしさ..」
俺の言葉に、
大「翔ちゃんは何でもできるから...
どんな事にもちゃんと、合わすし...
いつも、羨ましいと思ってるんだよ~」
そう言う大野さんの目が、とても優しくて、
俺は、心がほんわか...温かくなった。
それから、ふたりでしばらく飲んで、
大きなバルコニーに出てみると、
ホテルの庭の篝火がゆらゆら揺れて、
何とも言えず、幻想的だった。
黙ってその景色を見ていた俺は、
「二ノに、見せたいな...」
気が付いたら、独り言のように
口から出ていた。
すると、大野さんは前を見たまま、
大「....二ノは幸せだね...
こんなに翔ちゃんに愛されてて...」
と言った。