第21章 危機
翔さんは俺の頭に手を置いて、
顔を覗き込みながら、
櫻「二ノ...そーゆうとこあるから、
気をつけないと...」
と睨んだ。でも、その目は、優しく笑っていて..
俺は、「...はい..」
と上目遣いに頷いた。
俺たちを見ていた横が、
「なんや、見てる方が、赤面するわ!!」
と笑った。場はすっかり和んで、
俺は、内心ホッとしていた。
「今日さ、鍋やろうと思ってたんだよ。
すぐ用意するから、食べようよ♪」
横「やった!!!これで、来た甲斐あったわ~」
俺が、笑いながらキッチンに行くと、
まるがついてきて
「手伝うわ...」
と言った。
そして、
丸「二ノ...忘れてな..もう、
絶対こんなことしないし..
ホントにごめん...」
背中を丸めて、繰り返し謝るまるに、
「じゃあ、手伝ってよ!!」
と、やっと笑えた俺は、その後、
まるを顎で使った。
鍋を囲んで、俺たち4人は和気あいあいと、
楽しい時間を過ごし、
片付けくらいはさせてくれ///と、
ふたりは手際よく洗い物をしてくれ、
賑やかに帰っていった。
リビングに戻ると、
後ろから翔さんが抱き寄せた。
俺の耳元で、
櫻「よかった...カズに何もなくて..
もっと早く帰ってやれなくて、ごめん」
絞り出すように言った翔さんに、
俺は、申し訳ないのと、情けないのと、
気持ちが溢れ出し、
「....ごめん..」
と、一言言うのがやっとだった。
涙が溢れそうな俺の目をしっかりと見て、
櫻「俺が、守るから...
カズのこと、ずっと、守るから...」
と言ってくれた。