第21章 危機
(....翔さんに見られた////)
俺は慌ててシャツの乱れを直したけど、
こんな涙でグシャグシャの顔じゃ、
隠しようがない。
櫻「...カズ..?」
そう言いながら、俺の方に近づいて来る翔さんに、俺はたまらず抱きついた。
「.....」
震えてる俺に気づいた彼は、
黙って俺を受け止め、抱き締めてくれた。
すると、口を開けて固まっていた横山が、
我に帰ったように、
肩を落として座り込んでいるまるに
声を掛けた。
横「お前、まっ...まさか///」
丸「...おれ..やってもうた...」
横「やってもうた...って..それ..?」
まるは頭を両腕で抱え込んで、
丸「...二ノ..襲ってもーた/////」
まるに飛びかかろうとした横よりも先に、
翔さんがまるの胸ぐらをつかみ上げた。
恋に恋する女子ならば、
『キャー!!!私愛されてる♡』
とか、キュンキュンする
場面かもしれない...けど....
しかし....
(これは、マズい!!!)
いろんな意味で、マズいだろう...
櫻「まる!!お前、ふざけんなよ!!!!」
丸「ごめんなさい!!ごめんなさい!!
....俺...つい..あの....」
横「...もしかして..翔くん...二ノと..?」
横のそのつぶやきで、
翔さんは、我に返ったように、
真っ青なまるを離した。