第21章 危機
「...まる..やめて..」
俺は両腕で顔を覆って言った。
丸「...泣いてるん..?」
まるは、正気に戻った...というか、
オドオドとして、慌てて俺の上から降りた。
「...クッ////」
それでも、俺がただ泣くだけなので、
丸「...二ノ...ごめんな...」
そう言ってうなだれた。
顔も隠したまま何もいわない俺に、
まるはボソボソと言った。
丸「....俺..よう、分からんくなって...
ホント、ごめん...」
まるに、何か言わなきゃ...
憎まれ口のひとつも..
そう思っても、さっきの恐怖が
俺の中を支配していて、どうしても、
言葉にならない....
気まずい沈黙を破ったのは、
玄関のドアを開ける音...
翔さんが、帰ってきたんだ!!
俺は、こんな姿を彼に見られたくなくて、
慌てて起き上がったけど、その時には、
もうリビングのドアを開けた翔さんが、
立っていた。
櫻「...何、やってんの...」
その後ろでは、青ざめた横山が
茫然と立ち尽くしていた。