第20章 未来
〔櫻井side〕
俺の言葉に、何も答えない二ノ...
俺は、心の中にあるものを
全て伝えたいと心に決めていた。
「...カズ。俺は、この先も、
カズだけを見ていたい。
俺の未来に、カズがいれば、それたけで
..何もいらない。」
二「......」
「もう、カズのいない俺は、考えられない..
誰に、なんと言われようと、
俺の気持ちは、変わらない...
...愛しているよ。」
俺の胸から静かに顔をあげた二ノの顔は、
涙でぐしゃぐしゃだった。
「泣くなよ....」
キスしようと、顔を近づけると、
二ノは、泣きながら、
それでも、しっかりと俺を見て、
二「....ずっと、翔の隣に、いたい..
..この先も、ずっと...ずっとね...」
そう言って笑った。
泣きながら、笑った。
俺は、どうしようもなく、
二ノのことが愛しくて、胸が苦しかった。
こいつと、
この先も歩いていく。
何があっても、
離さない....離れない。
33歳になったこの夜....
俺は、
本当に大切なものを、
見つけた。