第20章 未来
この後。
お互いの気持ちを確認しあった、
この後....
俺たちは、花びらに埋もれて、
何度も愛を確かめ合った。
二ノを抱いていても、
ふたりで登りつめた後も、
幸福感の裏で、どこかいつも不安だった。
それが、この日...
やっと、心も体も、
間違いなくひとつになれたんだと...
そんな思いでいっぱいになり、
日付を跨ぐ頃には、
心地よい疲労感の中、
抱き合って眠りについた。
この先も、いろいろあるかもしれない。
平坦な道じゃないだろう。
でも、二ノとなら....
二ノが隣で笑っていてくれたら、
乗り越えていける気がした。
あ...
ちなみに、二ノからのプレゼントは
二つ折りのブランド財布。
夜会で、有吉さんや後藤さん、岩尾さんに
『ダサい、ダサい』とバカにされていたのが、
悔しかったんだとか....
まあ、俺的には、おいしかったところでも
あるんだけど...あんなに言われて、少し凹んでいたのも事実な訳で...
これからは、慣れ親しんだ財布から、
二ノに貰ったこっちに替える。
この、決して『ダサい』とは
言われないであろう、
オシャレな財布をポケットに...
二ノと、生きていく。
なーんて...財布ひとつに大袈裟か...笑
俺の大切な人は、今...
俺の胸の中で、
静かな寝息を立てていた。
その口元は、少しだけ、
笑っていた。