第20章 未来
二「お誕生日おめでとう♡」
俺たちは、無数の泡が立ち上る
大きめのシャンパングラスを静かに合わせた。
「ありがとう、カズ♡
いろいろごめんね~..高かったでしょ?」
そう言う俺に、
二「いいんだ....でも、ちょっと、
やり過ぎた??」
と、笑いながら上目遣いで俺を見た。
「そんなことないよ。こんなの初めてで
嬉しい...テレるけどね♡」
二「ケーキ、食べる?」
そう言って二ノは、ロウソクに火をつける。
「なんか....恥ずかしいんだけど...」
ふたりの空間が、こんなに照れくさいと
思ったのは、初めてかも...
(どんな顔したらいいのか、
分かんないよ...)
二「じゃ、いくよ♪」
そう言って、二ノは
ハッピーバースデー♪の歌を歌ってくれた。
俺はその間、炎の向こう...
綺麗な二ノの顔を、じっと見ていた。
蝋燭を吹き消した俺の顔は、きっと、
真っ赤だったはず....
二ノは、そんな俺を見て含み笑いをしながら、
二「ケーキ、食べるよね♡」
と、フォークを片手に立ち上がり、
ケーキをすくって、
二「ハイ♪あ~ん♡」と俺に差し出した。
(マジかっ////)
ドギマギしながら、口の中に、
ケーキを入れて貰った。
『ウマい』と言おうとして固まったのは、
そのフォークに残った生クリームごと、
二ノが自分の口に入れたからだ。
....その顔が、俺のスイッチを押した。