第20章 未来
〔櫻井side〕
その日、二ノが連れてってくれたのは、
オープンして間もない都心のホテル。
外資系で、俗に言う5つ星☆っていうヤツ?
宿泊客も、外国人が多く、
日曜日ということもあってか、
スポーツクラブも空いていた。
俺たちは、マシンやサウナで汗を流し、
部屋に戻った時は、窓の景色は、
すっかり夜景へと変わっていた。
俺は、ディナーのために、着替えていた。
....窓辺に座り、夜景を見ている二ノ...
その横顔が、泣きそうに見えて、
俺はたまらず側まで行き、
後ろから抱き締めた。
二「....こーいうこと、
しないんじゃなかったの...?」
そう笑った二ノの声は、少し涙声だった。
「やめた...それ...」
そう言いながら、
後ろから二ノの赤い唇を捉えた。
ゆっくり啄むように口づけると、
二ノは細く開けた唇から、舌を少しのぞかせた。
当然、俺はそれに応えるように、
今度は強く舌を絡めて吸った。
二「...んんっ...」
二ノから甘い声が漏れると、俺の息も上がる。
その先に進もうとする俺を、
潤んだ目で制した二ノ...
二「ご飯行こうよ...」
俺も、笑ってそれに答えた。
「そーいや、腹減った~」