第20章 未来
少し気まずそうに苦笑って、
俺から目を反らした翔さんの手を、
気がついたら、俺は握っていた。
櫻「....カズ..」
「...翔..俺に言いたいことが、
あるんじゃない?...そうならさ、
言ってよ...」
やっとそう言った俺の頭を、
優しくグリグリして、
翔さんは今度はニッコリ笑ってくれた。
...........
俺に話しにくいこと?
俺が、悲しむこと?
俺たちの、未来のこと??
何度も、浮かんでは飲み込んだ疑問符たち...
翔さんは揺れる瞳で、
俺のことをしばらく見ていたが、
櫻「...やっぱさ..車戻ろーぜ!!寒みーよ!!」
そう言ってニッコリし、
俺の手をとって走り出した。
俺の質問は、上手くはぐらかされたけど、
...だけどね..
何となく、分かってたんだ。
翔さんが、考えてたこと。
いつかは、話さなくちゃいけないよね....
俺から、
....気持ちを打ち明けて、
こうなったのは、俺がきっかけだから、
俺から、言わないと...
...なのかな..
そしたら、翔さん...
あなたは何て答えてくれるの?
...ちゃんとするから。
もうしばらく、
神様、俺に勇気がでるまで、
このままで...