第20章 未来
櫻「なんだよ!!なんで笑ってんの?」
「えっ?...笑ってなんかいないよ//」
櫻「笑ってんじゃん!!...また、俺のこと、
バカにしてんだろ~!!」
言葉とは裏腹に、翔さんも口元が笑っていた。
「イヤ...櫻井翔ってかわいいな♡と、
思って...♪」
櫻「おまえっ////
おー!!!!!すーげー!!」
何か言い返そうとして、俺を睨んだけど、
松林が急に途切れ、
目の前に突然現れた太平洋に、
翔さんは感嘆の声を上げた。
その場所は、夏場は
こじんまりとした海水浴場なのだろう。
1月のこの時期、しかも平日に訪れる人はなく、白い波だけが、俺たちを迎えてくれた。
「ちょっと、出てみる?」
俺たちは車を降りて、
砂浜を波打ち際まで歩いた。
途中、何も言わず、指を絡めてきた翔さん。
その横顔を盗み見ると、
少し照れたように笑っていた。