第20章 未来
〔二宮side〕
俺たちは房総半島の海岸線を走り、
何となく低い松の間の道を、
海に向かって入っていった。
その先に、どんな景色が広がっているのか、
全く分からない。
櫻「大丈夫かなぁ...」
翔さんは案の定、ちょっと不安そう。
「ダメなら、引き返そ!」
俺は、そんな翔さんに、
気づかれないように、口元だけで笑っていた。
(ホント...この人、可愛い♡)
実際、俺たち5人の中では、
ダントツでリーダーシップを発揮している。
いつも、しっかりした下調べと、
それに沿ったシュミレーションは完璧で、
俺たちの信頼も厚い。
『頼れる男、櫻井翔』なのだ。
反面、筋書きにないこと...
アクシデントには割と弱くて、あたふたする。
咄嗟のことに、焦る姿は、
ちょっとヘタレで、そして、可愛い♡
翔さんに言うと、
きっと怒るから言わないけど、
そんなところも、俺の母性本能を刺激する。
そして、今の彼は、まさに、
俺をキュンキュンさせる、
ヘタレっぷりなわけで.....
我慢できず、クスクス笑う俺に、
当然彼は気づいた。