第19章 戯事
〔二宮side〕
風呂場で盛り上がりすぎたその晩も、
ベッドで抱き合って眠った。
どうして、ここは
こんなに温かいのだろう...
翔さんが、俺のことを
忘れてしまっていた間、
再び彼の腕の中で朝を迎える日が
来るんだろうか....
と、そう考えると不安で、
眠れない夜を過ごした。
でも、そんな時間があったからこそ、
今、この瞬間をなによりも大切だと、
気づいた。
隣で無防備に寝息をたてる、
この人のことが、
自分よりも大切だと思える。
そして、そんな人といられる幸せを、
しっかりと胸に抱きしめる。
翌日は夕方から特番の打ち合わせが
入っていたが、昼間は空いていた。
「...翔..朝だよ..」
櫻「....」
「翔~..起き../////あっ//」
長い睫毛を伏せて眠っていたはずなのに、
腕を引っ張られ、
俺はバランスを崩して彼の上に倒れ込む。
櫻「....おはよ♡」
目を細めて俺を見て、ゆっくり口づけた。
触れるだけのキスに、
俺の心臓はキュッとなる。
「...おはよ...♡」
はにかみながらも、ちゃんと♡は返せたかな?
「朝ご飯、食べよ...」
櫻「カズがいい♡♡」
「えっ!?...ダメだって..
今日は出かけるし...」
慌てる俺に、ニッコリ笑った彼。
櫻「嘘だよ♪かーわい♡
真っ赤になって....」
「!!!!!!
もー////いいよっ!!オムレツ、
ふたつとも食べるから//」
櫻「ごめん!ごめん...カズってば~」
俺は怒った振りで、
彼を置いてキッチンへ向かった。