第19章 戯事
お互いの息が上がり、
浴室には、無言の時間が流れる。
「カズ...ごめん」
解すこともしないで、
欲望に負けた俺の謝罪に、
二ノは何度も首を横に振り、
振り向いて俺の胸に顔を埋めた。
二「...しょお..」
二ノは、小さく俺の名前を呼んでから、
唇を重ねてきた。
数回、啄むように口づけてから、
俺の目を見て笑った。
俺は、そんな二ノを強く抱きしめた。
二「もういっかい、お風呂、入ろ♡」
今度は、俺の胸にぴったりと背中を密着させて、泡の中に沈んだ。
二「...泡..甘かった?」
甘えた声で、聞いてきたので、
「よく、わかんなかった...」
と答えた。そんな俺を
潤んだ目で見ていた二ノは、
人差し指で泡をすくい、
俺に見せた。
俺は、二ノの目を見つめたまま、
手首を掴み、その指ごと、口の中に入れた。
「ホント...あまひ♡」
二ノは、笑いを堪えながら
俺を上目遣いに見て言った。
二「...翔の顔、エロい♡」
俺はその口を、自分の唇でふさいだ。