第19章 戯事
櫻「あーうまっ!!」
幸せそうに俺の作ったオムレツを
頬張る彼を、笑ってみている俺...
櫻「腕あげたね~♡毎日作って♪」
「毎日って...また、からかってんでしょ!!
早く、食べよ...」
不意に手を捕まれて、言葉を止めた。
櫻「からかってなんか、いないよ...
一緒に、毎日朝を迎えたいなって...
ホントにそう、思ってるんだよ。」
笑ってない、真剣な瞳に、
一瞬息が止まった俺は、慌てて目を反らした。
そんな俺を握る手に、力を込めながら、
彼は低く、少し掠れた声で続けた。
櫻「一緒に暮らさない...?」
「.......」
櫻「朝ご飯、毎日作ってなんて、
言わないよ。そーじゃなくて....
ずっと、一緒にいたいんだ...」
「.....えっと...」
戸惑う俺に、
櫻「なーんてな♪早く食おーぜ!!」
俺が困ってるって思ったのかな。
翔さんは、いつもの笑顔に戻って、
視線をオムレツに戻した。
....困ったんじゃないよ。
”それって、プロポーズだよね?”
って、そう聞いちゃいそうだったんだ。