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いつも貴方がいた【気象系BL】

第18章 信愛



俺は、そんなにまでしてくれてたことに、
思わず泣きそうになった。

俺ばっかりが、淋しくて、
俺ばっかりが辛いんだと思ってたけど、

翔さんも苦しんでたんだ。
なくした記憶を取り戻そうと、
必死になってくれてたんだ...

そう思うと、涙が溢れてきた。

櫻「泣くなよ...」

「...ぅく..ぅぅ...」

櫻「泣くなってば...」

翔さんは泣いている俺のことを、
強く抱き締めてくれた。
それが嬉しくて、切なくて、
俺は更にしゃくりあげる。

櫻「淋しい思いさせて、...ごめん
辛い思いさせて、...ごめん..

ひとりにして...ごめん。」

『もう謝らないで。だって、
ちゃんと俺のところに、
戻ってきてくれたじゃない!!』

そう言いたかったけど、
言葉になんかなる訳なくて...

俺は、翔さんの胸の中で、
首を横に振り続けた。

落ち着くまで、翔さんは俺の頭を
ずっと優しく撫でてくれていた。


その掌の温かさと、胸の温もりに、
俺は幸せをかみしめる。

好きな人と一緒に居られること。

それは当たり前にあることじゃないと、
今度のことで、思い知らされた。

誰にだって、平等に朝はくるけど、
それは、裏を返せば、
誰にでも約束された明日がある訳じゃない。


だからこそ、今、この瞬間を
大事にしなきゃいけないんだ。
今、この時を、大切にしないと..

落ち着いてきた俺に、翔さんは言う。

櫻「...カズ♪シャワーしといで...
続き、シよ♡」

今、この時を.....

「うん...」
俺はきっと、耳まで真っ赤なんだ。




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