第18章 信愛

〔櫻井side〕

ベッドの上で震えるニノを抱き締める。

二「…翔…す…き…」

俺の耳元で消えるような声で囁くニノ…。

「俺も好きだよ…」

そう応えるとニノは両腕を俺の首に絡ませた。

それは幾度となく繰り返された行為…。

お互い、隅々まで知っているはずの肌なのに、まるで初めての時のように、
不思議な緊張感と期待感に眩暈がする。

ニノも同じなのか、耳まで真っ赤にして恥じらう姿が、俺の比護欲を駆り立てる。

ニノのシャツを脱がせて、俺も脱いだ。

唇を胸まで徐々に滑らせ、
中心を外して口づければ、
そこには朱い印が生まれる。

仕事柄、
その朱は付けないようにしていたが、
今日の俺は、冷静さを欠いていたのか、
溢れ出す感情を
押さえることが出来ない。

胸に咲いた朱い印に、クラクラする。


胸の頂に舌を這わせ、歯を立てると、
ニノは背中を仰け反らせる。

その背中に腕を回し、その感触を少しずつ確かめるように、唇を胸から腹に移していく。

二「……はぁぅ…んん…あぁ…」

それに合わせるように、
ニノの声も喘声に変わっていく。


スエットの上からでもその変化が明らかな二ノ自身を、掌で包み、撫でると、

二「しょお……やめ…」

「やめないよ…カズ…かわいい…」

二「…かわいく…ない…」

ニノが潤んだ目で俺を睨む。
そんな仕草もたまらない……。

腕の中の愛しい存在を、俺は寧ろ持て余す。
沸き上がるものを押さえることが出来ない。


こんな余裕のない行為は、初めてだった。