第18章 信愛
〔二宮side〕
頭の奥が、痺れていて、何も考えられない。
ただ、翔さんが戻ってきてくれた。
そのことが、
そのことだけが、俺の中を満たしていた。
繋がりたい....
今すぐ、翔さんとひとつになりたい。
♪♪♪ ♪♪♪♪ ♪♪♪
そのとき、翔さんの携帯がなった。
それでも、唇を離さない翔さんに
「翔...電話...」と言った。
俺から少し離れて、苦笑いしながら、
櫻「...邪魔された///」
と少し膨れて電話に出た。
電話は、マネージャーからで、
明日の打ち合わせが、
11時が午後2時に変更になった、
という内容のもの。
櫻「うん...分かった...了解です!!
...あっ、ニノと一緒だから、
俺から言っとくよ!」
そう言って、電話を切り、俺に向かって、
櫻「また邪魔されたくないからね♡」
と片目を瞑ってみせた。
改めて、分かってはいたけど、
俺たちはまだ靴のまま...
ふたりで笑い合い、
とりあえずは水入り、って感じかな...
「お邪魔しま~す♪」
ひとりで来るのは、あの事故以来久しぶり。
リビングには、見慣れない写真が
飾ってあった。
「これ...」
櫻「カズのこと、どうしても思い出したくて、
携帯からプリントして、
毎日見てたんだ...」
そうはにかむ彼の向こうに、
真っ赤な二人乗り自転車の前で、
笑っている俺がいた....
軽井沢で、翔さんが撮ったのを思い出した。