第18章 信愛
〔櫻井side〕
俺は靴を脱ぐのももどかしく、
玄関を入るとドアが閉まる前に、
振り返った。
俺がニノを引き寄せるより早く、
ニノが胸に飛び込んできた。
二「翔!」
ニノが唇を押しつけてきたから、
俺たちはバランスを崩してそのまま、
玄関のフロアに倒れ込んだ。
それでも、執拗にお互いの唇を求める。
細く開かれた唇は、入ってこいと、
俺を誘う。
招かれたとおりに舌を差し込むと、
当然のようにニノの舌がそれを迎え、
絡みつく。
角度を変え、ニノの頭を引きつけると、
キスは更に深くなる。
..............
それまで何度となく繰り返されたこの行為。
でも、こんなに本能的で、
衝動のままに求め合うキスは、
初めてだった。
玄関に響く淫猥な水音。
それだけで、俺の中心は熱くなる。
「カズ...」
二「...あぁ..しょお//」
「カズ....」
俺たちは、離れていた時間を埋めるように、
唇を重ね合った。
目を開けて、艶めいていくニノの顔を
見ていた俺と、不意にゆっくり
目を開けたニノと、目が合う。
それでも、見つめ合ったまま、
俺たちは求め合った。