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いつも貴方がいた【気象系BL】

第18章 信愛



それから、俺は平静を装い、
メンバーの前でも、
もちろん翔さんの前でも、いつもの...
今までの、『二宮和也』を演じた。

俺を特別だと思ってくれない恋人を、
そばで見ていることは、
予想以上に辛かった。


いっそ、離れてしまった方が
楽なんじゃないか?と思うけれど
それで本当に『櫻井翔』が俺から、
いなくなってしまうのは、
それこそ、耐えられなかったら....


折れかける心を奮い立たせて、
翔さんの近くにいた。

時には、横にくっついてゲームをしたり、
翔さんの言葉に、何度も相槌を打ったりした。


テーブルの上、手がそこにあれば、
重ねてみたい衝動を押さえ、

前を歩く背中に、しがみつきたい気持ちを、
理性で抑えた。


そんな、不自然な形で押さえつけた
俺の気持ちは、行き場をなくし、
中に浮いたままさまようしかなかった。


翔さんは、あの日以来、
俺とのことには一切触れてこない。
でも、俺の勘違いだろうか...?

翔さんは俺のことを見ていた。


横顔に刺さる、翔さんの視線....

思い切って、そちらに目を向けると、
優しい目で俺のことを見つめてくれた。
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