第17章 忘却
夕方、病院の裏手の駐車場に
俺と松潤を乗せた車は静かに滑り込んだ。
正面玄関には、事故のニュースに、
たくさんの取材陣が集まっていた。
俺たちは、病院関係者専用のエレベーターに乗って、翔さんの病室に案内された。
部屋のドアを開けると、
翔さんはベッドに座っていた。
俺たち2人に気づくと、いつもの笑顔で、
櫻「悪いね~...なんか。
わざわざ来てくれなくても、良かったのに」
緊張が一気に溶けた俺は、たまらず翔さんに飛びついた。
「翔!!」
『心配かけてごめんね...』そんな言葉で、
抱きしめてくれるんじゃないかと、
そう思っていた俺の肩を、
両手でそっと押し返し、
やんわりと拒絶し、明らかな困惑を
その目に宿した翔さん。
櫻「どうした~ニノ?大袈裟だな~」
俺と松潤は、きっと同じような顔で
翔さんを見たんだろう。